以前、ahamoが発表された際に端末バンドの関係からauやソフトバンクの一部端末ではahamoを利用しようとしても、電波をつかみにくくなることをご紹介していました。
ahamo発表後、KDDIはpovo、ソフトバンクはLINEMOをそれぞれ発表し、au、ソフトバンク販売端末を持っている方は基本的にそれぞれの安価プランへ移行すればバンドの心配をそれほどしなくてもよい状態となっています。(ahamoが追加値下げしたので、ややahamoの方が安価(5分話し放題を含めると)ですが)
ただ、ドコモの電波網を使いたいのでやっぱりahamoが良い!という場合や、MVNO(IIJやOCN モバイルONEなど)へ移行する場合はやはり対応バンドの問題が引っかかってきます。
そんな中、色々と調べていった結果、auのスマートフォン端末でこれまでドコモのプラチナバンド(19)に対応していなかった(とされていた)ものでもドコモのプラチナバンド(19)を掴める状況になっていることが判明しました。
早速、私が実験してみた結果、無事に接続できたので記録がてら記事にしておきます。
カギはMFBI(Multi-Frequency Band Indicator)
なんじゃそりゃ・・・
MFBIと言ってもあまりピンときませんが、簡単に言うと、同じ周波数帯に複数のバンド名を付けることのようです。(正確には、Band19とBand26は異なります。Band26でBand19にアクセスできるようにしている状態です)
※なお、大前提として、端末側がMFBIに対応していないとBand26に対応していてもMFBIでアクセス可能となったBand18や19を利用することはできません。(例:Pixel2などは不可)
但し、au端末はMFBI対応を念頭にバンド26対応を付与していると思われるので、近年のau専売モデルかつバンド26に対応している機種であれば、基本的にMFBIに対応している気がしますが・・・。
これまで、ドコモのプラチナバンドはBand19(800MHz帯)でしたが、実は同じ周波数帯にはauのプラチナバンド、Band18/26があります。
実は、このMFBIはauが以前から採用しているものでもあり、auの場合は本来のプラチナバンドBand18をBand26としても運用可能にしています。
この技術をドコモもどうやら19年~20年のどこかしらで導入したようで、現在Band26に対応し、MFBIにも対応している端末であれば、ドコモのBand19を掴めるようになっているようです。
この技術導入の背景には、世界的にはBand19がマイナーであることも関係しているようです。(グローバルモデル化が進むスマートフォンにおいてはBand26の方がメジャー)
・・・(電波?)・・・
Band26でBand19を掴めることにより、Band19に対応していなかったau端末のドコモエリア対応力が飛躍的に向上する
で、この技術導入によって、近年のau端末であれば基本的にBand26(かつMFBI)には対応しているため、auのSIMロック解除済端末(かつ、ahamoの場合は4G/5Gのみなので、Volte必須)でahamoやOCNモバイルONEなどの利用が格段にしやすくなったことになります。
※但し、MFBIが万一中断などの措置が取られた場合は電波の掴みが一気に悪くなる可能性もあります※
※また、すべての4Gau端末がBand26に対応していることを確認しているわけではありません※
早速実験してみた結果・・・
ただ、このMFBI、あくまでネット上の確認情報だったので、本当に出来るのか不安でしたが、ahamoを契約して、手持ちのXperia1(SOV40)で実験してみました。(ダメだったら端末買い換えるつもりで)
・・・結果としては・・・
・・・無事に掴みました!
私が住んでいるのは北海道のどちらかと言えば郊外なので、ドコモネットワークを利用するに当たり、Band19(26)対応は必須。非常にありがたい結果。
ちなみに・・・
ちなみに、UQモバイルの時は、プラチナバンドとも言えるBand18や28を掴むことが多かったのですが、ドコモ回線に代わってからは、プラチナバンドと比べると繋がりにくいはずのBand1も結構掴んでいます。
また、ドコモはあまり展開していないともよくネットで目にしていたBand28も結構掴んでいます。(もちろん26も確認していますが)
郊外でもドコモは高速回線(Band1)を結構展開しているというのは噂ではよく聞いていましたが、私の住んでいる地域でも実際そのようでした。
各キャリアの4G対応バンド表に今回のMFBIを入れ込んでみると・・・
4G周波数帯 | ドコモ | au | ソフトバンク | 楽天 | ※備考※ |
Band 1(2.0GHz) | ◎ | ◎ | ◎ | 各社4G通信主力バンド | |
Band 3(1.7GHz) | ◎(東名阪) | 〇 | ◎ | ||
Band 8(900MHz) | ☆ | プラチナバンド | |||
Band 11(1.5GHz) | △ | 〇 | |||
Band 18/26(800MHz) | ☆ | au回線 ローミング | プラチナバンド | ||
Band 19/26(800MHz) ※1、2 | ☆ | プラチナバンド | |||
Band 21(1.5GHz) | 〇 | ||||
Band 28(700MHz) | △ | △ | △ | プラチナバンド (エリアやや狭い傾向) | |
Band 41(2.5GHz) | WIMAX利用 | ||||
Band 42(3.5GHz) | △ | △ | △ |
※1:Band26に対応している端末は、Band18、19いづれも対応すると思われますが、Band19しか対応していない端末がBand18に対応できるわけではありません(多分無理)
※2:今回のドコモMFBI導入はどうやら公式に発表されているようではないので、どこかのタイミングで中断される可能性もあり得ます。
ちなみに、私の持っているXperia1のキャリア別対応バンド(主力プラチナバンドのみ)を今回のMFBI対応バージョンにしてみると・・・
Xperia 1 | ドコモ主力プラチナバンド Band 19/26 | au主力プラチナバンド Band 18/26 | ソフトバンク主力プラチナバンド Band 8 |
ドコモモデル SO-03L | 〇 | × | × |
auモデル SOV40 | 〇(MFBIにより対応) | 〇 | × |
ソフトバンクモデル 802SO | × | × | 〇 |
※主力4GバンドであるBand1は全モデルとも対応
このようになり、これまでドコモのバンド19に対応していなかったau端末でもドコモネットワークへ移行するハードルが非常に下がったことになります。(一方、ドコモ専売モデルからauネットワークへの移行はプラチナバンド対応状況から見てやや厳しいと思われます)
※但し、最近au、ドコモともBand28のエリアがかなり増えてきているような印象があります。将来的には状況が変わるかもしれません。
※また、iPhoneなど、どのキャリアのモデルでも3大キャリアのすべてのプラチナバンドに対応している機種も最近多いので、事前にご確認ください。
まずはお試ししてみることをおススメ
今回、私が実験してみたドコモのプラチナバンドBand19のMFBI化によるBand26対応はあくまで私の環境下で成功したに過ぎません。
どうも、ドコモはこのMFBI化を大々的に発表しているようではないようで、今後どのような展開になるのかも不透明です。
また、今回のMFBIはバンド19に対応せず、バンド26に対応していたau端末からドコモネットワークへの移行時には有効かと思いますが、そもそもバンド26に対応していないソフトバンクの一部アンドロイド端末(主に専売品)には何ら良い影響を与えません。
メインの電話番号でいきなり実践するのはリスクもありますので、もし試してみたい場合は、MVNO(俗に言う格安SIM)のデータ通信プラン(ドコモ回線)の一番安いもの(400~500円/月程度)を契約してみて、使ってみたい端末で運用可能か見てみるのが良いかと思います。(最初からメインの電話番号をMNPして契約するのはややリスクが高いかと)
ちなみに、今どのバンドを掴んでいるのか調べるには専用のアプリを導入するのが便利です。(私が使っているのは、LTE Discovery)
バンド・・・バンドってなんだぁ?
(バンド・・・?)
最近では、OCNモバイルONEが音声通話も含めかなり魅力的な料金プランを打ち出すなど、3大キャリア、楽天以外のMVNO勢も低価格プランの強化が図られています。
バンドの壁に阻まれてauネットワークからドコモネットワークへの移行を諦めていた方は一度試してみてもいいかもしれません。
※端末ごとのバンド対応状況などはかなり複雑なため詳しくは記載しません。必ずご自身でご確認の上、自己責任でお試しください。