今回は、寒冷地でのランニングコストを大きく左右する住宅の熱源と水回り以外の住設について・・・。
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熱源・・・寒冷地の熱源選びはランニングコストを大きく左右!
このブログ内でも何度か取り上げている寒冷地における熱源選び、燃料費の節約問題。
住宅を建築する際には必ずどの熱源をどのように使うのか選択する必要があります。(建売除く)
住宅建設時に考える熱源は大きく分けて4つ!
今回は、温度を下げることも含め4つに分類してみます。
我が家の熱源の考え方
暖房
北海道では、暖房に係るコストが光熱費の中では圧倒的に大きいと言われています。この選択をした当時は土地は完全に決まっておらず土地によっては都市ガスも利用できました。
が、一応どの土地でも対応できる見積もりになるよう都市ガスは使えない前提で考えています。都市ガスが使えないとなると、利用できるガスはLPガスとなりますが、LPガスはエネルギー当たりの単価が非常に高く、使用量の多い暖房に使うのは今後大きなランニングコスト増の原因となるため却下。
寒冷地エアコン、灯油式セントラルヒーティング(床暖房含)、灯油式FFストーブの3つから選択することとなりました。(都市ガスや、薪ストーブ(薪の供給に不安がない場合)の選択もアリかと思います)
薪ストーブは憧れあったんだよなぁ
あれ?なんでやめたんだっけ?
煙突付けると150万くらい追加工賃かかる上に、気密性がかなり下がってしまうからね~。
吸気専用のダクト作ると更に面倒になりそうだし・・・。
150万あったら、新しい家30年分の灯油代になっちゃうもんね・・・
工務店も実現可能性を疑問視していたFFストーブ1台での全館暖房
で、結論は私たちは主暖房として1Fリビングに置いた石油FFストーブ1台。補助として1Fリビング、2F寝室に寒冷地エアコンを設置することにしました。(2Fには3部屋の居住スペースと、トイレ、洗面台、納戸があります)
これまでの記事でも書いていますが、北海道において一つの石油FFストーブで全室を暖めるというのは完全に一般的なセオリーから外れています(セントラルヒーティングが一般的)。ですが、今回の住宅は断熱性能を予算の範囲内で最大限高めることと、リビング階段、リビングと廊下を仕切るドアをなくし、就寝・使用時以外は2Fの各部屋のドアを少し開けておくことで全館暖房とほぼ同じ暖房効果が得られると判断して石油FFストーブ1台での運用としました。
郊外になると-20℃まで下がることもある地域で、暖房がFFストーブ一台で全部屋暖めるって聞いたときは絶対無理って思った・・・
この案、実は建築を依頼していた工務店の施工監督からも実現可能性を疑問視されていました。ただ、要望していた断熱性能向上策で実現可能と判断し押し切りました。
昔から、一度決めると突っ走るからね・・・。君は・・・。
結果、成功したから結果オーライってことで!
2Fで寝てる時もエアコン(暖房)ほとんど付けてないなぁ・・・
FFストーブ一台での全館暖房のメリットとデメリット
この、工務店でも注文住宅ではほぼ経験のなかったFFストーブ一台で全館暖房をするという暖房設計。当然メリットだけではなく、デメリットもあるのでまとめておきます。
まとめると、メリットは金額面とスペース面、デメリットは必要とする断熱性能が高いことと、間取りに制約が生じるという点となります。
給湯器
給湯機は、暖房に灯油を採用していることもあり、事実上エコキュートか石油給湯器の2択となりました。
エコキュートも魅力的でしたが、下記の理由で今回は外しました・・・。
ということで、石油給湯器を選択。石油給湯器にも、機能ごとに給湯のみ、オート、フルオートの3種類。省エネ性能毎に、一般品とエコフィール(高効率)の2種類があります。
我が家で選択したのは、フルオート(追い焚き/足し湯付)のエコフィールモデル。
ちなみに、高効率モデルのエコフィールですが、メーカー発表で1割以上灯油使用量を削減できるとされています。しかし、取付にはドレン排水工事が必要であったり・・・意外と費用が嵩みます。
お湯の使用量が少ないなどの方は通常モデルとエコフィール、それぞれの導入にかかる増額を見比べてどちらを導入するか判断されるのが良いかと思います。
今回我が家では採用しませんでしたが、敢えて追い焚きなしの給湯のみの給湯器にするという選択もアリです。
お風呂にお湯を入れる用に、定量ストップ機能のついた蛇口をお風呂に設置すれば、あらかじめ決めた量で給湯は止まります。
TOTO 浴室用水栓 定量止水 TMF47ARR (シャワー無し)
給湯のみの場合、風呂配管が無いのでその辺の汚れを気にする必要がない=清潔に保てる他、給湯器自体の金額も大幅に軽減、工事費も軽減できます。浴槽に保温機能(断熱材付)のあるものを選べば、それほどお風呂にお湯を貯めてからの温度低下は急激ではありませんし、必要に応じて高めのお湯を継ぎ足せば時間が経っても入浴は可能です。
入浴剤も、風呂配管がある場合は汚れの蓄積を気にしてしまう場面もあるかもしれませんが、給湯のみの場合は風呂配管が無いので存分に使えます。
調理
これは・・・、本当は採用したくなかったのですが、LPガスを採用しました。
LPガスって高いんじゃなかったの!?
そう・・・なんだけど・・・
ガスコンロだけなら・・・とLPガスを複雑な思いで選択
LPガスはコスト的にデメリットが大きいのですが、ガスコンロ供給のみLPガスを選択することにしました。
理由としては、ずっとガスに慣れていた人間からすると、IHクッキングヒーターがどうしても使いにくそうだったからです。使える鍋の種類も限定されますし、炒め物も結構作る私からすると煽り炒めが出来ないのがどうしてもガマンできず・・・。
ちなみに、IHに抵抗がなく、ガス契約が無い方はIHの方がランニングコストは下がるのでお勧めです!
当時はまだ土地も完全には決まっておらず、都市ガス、LPガスともに選択は可能だったのですが、ガスコンロのみの利用ならと見積もり時はLPガスを選択しました。都市ガスの方がランニングコストは圧倒的に安いのですが、都市ガスはガス導管からガスを引く工事に約50万程度かかると工務店から話がありました。一方、LPガスは屋内配管を工務店側で完結させてしまえば、外にLPガスボンベと供給装置、最低限の配管を置くのみ。基本的に工事費用は掛かりません。
住宅メーカー、工務店側がLPガス供給業者を紹介してくることがありますが、原則として受けないでください。
その場合、LPガス供給業者が屋内配管工事を無料で担当する代わりに、何年かはその業者を利用しなければ違約金や屋内工事代金を支払わなければならないとするケースが多く、高いLPガスを購入させられることになりかねません。
ガス配管工事は住宅業者に多少お金がかかっても支払い、自分たちの所有としておきましょう。そうすることで、業者側が値上げをしてきた際などに他の業者へ乗り換えが容易になります。(なお、我が家ではビルトインコンロの取り付け工事の中に配管も含まれており無料でした)
ガスコンロのみのガス利用の場合、一か月当たり都市ガスであれば2㎥、LPガスであれば1㎥以下となることが一般的。
そうすると、それぞれ基本料と従量料金を足した金額は、都市ガスであれば約1,200~1,300円/月、比較的良心的なLPガス業者であれば、約2,000~2,100円/月の利用料金となります。確かにLPガスの方が高いのですが、その差は800円/月。都市ガスの初期工事費用を相殺するまでには、50年以上かかることになります。
※暖房、給湯にもガスを利用する場合は、早期に初期工事費用を相殺できますので、都市ガスの方が断然良いかと思います。
さすがに50年も同じ家に住んでいるかは微妙だね・・・
そのため、我が家ではガスコンロへの供給限定でLPガスを採用することにしました。
でも、暖房や給湯でLPガスを利用するのはかなり割高になるのでおススメしません!(バルクタンクとかなら安いかもだけど・・・)
でも、月に2,000円って安いところあるんだね~
最近はネット上で、目安価格を掲載している比較サイトもあるから見てみるといいかも!
住設(水回り以外)は、企画住宅の標準仕様の一つ上のグレードに
床材、収納、扉など・・・
正直、最初は何を選べば良いのか全然分かりませんでした。
が、一応何回か色々な住設メーカーのショールームなどへ行き、工務店が標準としていたパナソニックの業販向け安価グレードから、同じパナソニックの一般グレード・ヴェリティスシリーズに変更しました。
ちなみに、このグレードアップには50万程度追加費用がかかりましたが、心底やって良かった!と今住んでから実感しています。特に子育て世帯にはメンテナンスが楽であること、丈夫であることからオススメします!
フローリング・壁などへの無垢材・自然材採用は、魅力も多いが、子育て世帯には不安も
フローリングや壁などへは最初無垢材を使えればいいなぁ・・・と漠然と考えていました。
最近では、フローリングの基材は合成樹脂、表面のみ天然木のシートを貼った突板と呼ばれるフローリングもあり、お値段も比較的お安め。
少なくとも、突板仕様で・・・と思っていたのですが。
リフォームで床に無垢材使ったけど、手入れが大変だし傷は付くし勧めないな!
と父から助言が。私の実家は本州で、近くに姉夫婦が住んでおり、孫二人がよく遊びに来るそうなのですが、ものを落としたりするたび傷が増えていくんだそう。しかも、水分をこぼしてほおっておくとシミになるとも。
その後、突板の場合接着している板が将来的に反ってきたりするリスクもあると知り・・・。
たらーん(よだれ)💧
・・・
あ、でも壁に木材を貼り合わせるのはいいぞ
壁紙に比べれば、子どもが触っても傷つかない
で、最終的には床材はパナソニック・ベリティスの車いす対応の強度の高いモデル。合成樹脂100%ですが、足ざわりもよく、プリント柄のデザイン性も高かったため選定しました。
結果、ぼー氏がおもちゃや積み木を落としたり叩いたりしても今のところ目立った傷はなくとても助かっています。
扉・収納部分の開閉部もパナソニック・ベリティスへ
床材をベリティスにしたため、色味などを統一させる必要があったので扉等も基本的にベリティスに変更。業販用廉価グレードに比べるとプリント面の造りが良く、こだわりはなかったものの採用して正解だったと思っています。
ちなみに、ヨメが惚れ込んだベリティス・クラフトレーベルと呼ばれるモデルをキッチンに一か所使用しています。
高かった・・・
~♪
壁紙
壁紙は、工務店の標準仕様が#500と呼ばれる普及価格帯のグレード。ただ、やはり普及価格帯グレードだけあって、よく言えばシンプル、悪く言えば単調で機能性等はあまり高くありません。
結局、2Fの子ども部屋(当面夫婦の作業部屋)は子どもが壁紙を汚す可能性があるとして#500のまま、それ以外は#1000グレードへグレードを上げました。(主に、高耐久品などの採用のため)
この壁紙選定はヨメが主にやりましたが、壁紙って、メーカーごとにものすごい柄数があるので組み合わせはほぼ無限大になり、約2週間ずっとカタログとにらめっこしていました。
頭パンクする・・・
なお、壁紙の追加費用は約20万でした。
次回は、水回りの住設、電気設備、照明について!
次回は、水回りの住設の他、コンセントなどの電気設備、照明についてまとめてみます!
電気関係も考え始めると奥が深い!