石油価格に左右されやすい北海道の家計 ~その①灯油の代替について考える

灯油缶 光熱費
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 北海道特有の家計事情として、石油価格動向に非常に左右されやすいという特徴があります。理由としては、熱源として灯油を選択している家庭が多く、冬季の消費が激しいこと、一般的に自動車の走行距離が伸びやすい傾向から、ガソリン消費量も伸びやすい点が挙げられます。
 近年は、原油価格が高止まりしており家計への圧迫も大きくなってきている石油製品。現状と対策について考えていきます。文字数が多くなりそうだったので、今回は二つの記事に分けます。今回は灯油について。
 

灯油は都市ガス、電気への転換で価格変動リスクは抑えられるが、灯油はそもそもコスパ的にはトップ選手

 以前の記事で書いたように、灯油は高騰しているとはいえ現状の高価格(90円/L前後)でも他の熱源よりランニングコストは概ね安いと言えます。ただし、120円/L程度に過去上昇したこともあり、そのレベルまで行くと場合によっては都市ガスや電気を用いたヒートポンプ暖房・エコキュートの方が安価になってきます。(ヒートポンプを用いない電気温水器や蓄熱暖房等はランニングコストは非常に高額になりますので気を付けましょう)
 そう思うと、私が子供だった頃の30円/Lとかの頃は灯油は無敵だったんだな・・・と今更ながらに思います。

ヨメ
ヨメ

小さいときはガソリンも100円しなかったもんね・・・

 では、価格が不安定な灯油の代替となる熱源はどのような選択があるのか。現状では、電気または都市ガスの2つが挙げられます。

北海道は電気が高い!

 但し、電気については北海道ならではの弱点があります。北海道に電力を供給している北海道電力や他社(新電力各社)共通で、本州等に比べ電気代が非常に高いのです。

北海道電力従量B 第二段(120kWh超~280kWh部分)

30.27円/kW+再エネ賦課金2.95円

関西電力従量B 第二段(120kWh超~300kWh部分)

21.21円/kW+再エネ賦課金2.95円

 上記の通り、差は歴然。約3割も関電の方が安いのです。(関電は現在かなり電気料金が安い)
 北海道は人口密度が低い地域のため、どうしても効率的な電力供給は難しい上、北海道電力は発電所の老朽化も進んでいます。そういった状況のため、仕方ないと言えば仕方ないのですが、日本で最も高い水準はやはり困りますよね・・・。
 また、全国共通の要因としても、再エネ賦課金も増加傾向にありますし、原発関連の費用も託送料金部分にオンされている関係で電気代は高止まり傾向です。

うさお
うさお

冬眠しないと電気代で大変なことに・・・!

 そのため、現状では灯油にコストだけで立ち向かおうとすると厳しいのが電気の状況です。

 なお、灯油や都市ガスは燃焼して熱を取り出すという性質上、仕組みは比較的単純で現状の機器から劇的に効率が上がるということは少ないものの、ヒートポンプ技術を利用しているエアコン/エコキュートはまだ伸びしろがあったりします。 そのため、今後の技術革新により現状の電気料金であってもランニングコスト面で灯油を上回る可能性もあります。

 また、ご自宅に太陽光発電システムを付けていらっしゃる場合はまた話が変わってきます。太陽光発電を持っている場合は地域やシステム容量・ライフスタイルにもよりますが、年間使用量の2~4割程度(売電部分除いて)は太陽光発電で電力を賄える場合が多いので夏場も使用する給湯も含めれば、灯油より安価となる可能性が高いと言えます。(ただし、降雪地域だと冬場は発電しにくい環境となるため、降雪期は普通に電気代がかかると思っていた方が良いでしょう)

それでも電気にはメリットも

 コスト面では、現状北海道で灯油に及ばない電気ですがメリットも当然あります。

電気のメリット
  • (住宅)メーカーにもよるが、初期投資は灯油に比べると抑えられることも
  • 暖房設備(エアコン)が壁の上側に付くため、空間の有効活用が可能
  • ガスと比較した時に、基本料金が一本化されるためその分コストが抑えられる
  • 灯油・プロパンと比較した時に、住宅脇に必要な灯油タンクやボンベスペースが不要

 北海道でも、夜間電力の割引プラン等はありますが、何せ対象が22時以降~となるため深夜にお湯を沸かしておけるエコキュートだけならともかく冬場一日中暖房を使う北海道では効果は限定的(深夜安い分、午後料金が異常に高い。なんと40.68円/kWh)。
 但し、プロパンガスに比べれば安価になることはほぼ間違いありません。また、価格も灯油に比べれば遥かに安定しています。都市ガスを使用できない地域で灯油を避けるとなれば、熱源は電気を選択することをお勧めします。周囲でオール電化住宅に住んでいる方の話を聞いても、灯油よりは高いものの思ったほどの差ではないことが多いようです。

都市ガスの価格は比較的安定、利用できる地域ならオススメ!

 都市ガスは熱効率のこれ以上の伸びしろはあまり期待できませんが、灯油に比べ価格が安定していることが一番のメリットです。これは、原油価格に比べ、LNG(液化天然ガス)の価格の変動が小さいことや、国で定める規制料金に沿った形で販売しなければいけない旨が決められているからです。(都市ガスの小売自由化は行われましたが、各地域でのシェアが5割を超える大手は規制価格に従わなければならないとされています)
 他にも、機器代金が石油に比べ若干割安だったり、排ガスも灯油に比べクリーンだったりランニングコスト以外についてはほぼすべての面で灯油に勝っています。(唯一弱いのは災害時の復旧遅れくらい?)

 住宅を建設する際に、都市ガスの引き込みにお金はかかりますが、都市ガスが利用できる都市部にお住いの方は熱源は都市ガスでほぼ間違いはないと思います。
 一方、郊外で都市ガスを利用できない場合は、石油製品の価格変動リスクを避けたいということであればヒートポンプ機器でオール電化住宅にすることがおすすめです。
 価格変動リスクを承知の上で、現時点での価格で単純に少しでも安い方が良いということであれば今回の記事のテーマからは外れてしまいますが、灯油を主要な熱源として採用することになります。

プロパンガスは原則主熱源で使ってはいけない

 都市ガスを出すと、じゃあプロパンは?となりますが、プロパンガスは原則利用しないことをお勧めします。
 プロパンガスは仕組み上の面と、悪徳業者がはびこっている(もちろん、ちゃんとした業者さんもたくさんいらっしゃいますが)点の2点から非常に高額な値段な請求となる可能性が高い熱源です。

 まず、プロパンガスはそもそもガスボンベを運搬して交換したり、ガスボンベ周りの機器点検が必要という点で人件費がかかるため、仕組みとしてそもそも都市ガスより安くなることは基本的にありません。(最近徐々に増えてきているバルクタンク契約の場合は比較的安価となる場合があります。)

 更に、プロパンガスは都市ガスのように規制価格での縛りがありません。そのため、競争が薄くなりやすい北海道郊外地域では非常に使用価格が高額になりやすいのです。(逆に言うと、都市部では戸建てで選択権が自分にあるのであれば、何社かに競争させれば比較的安価に抑えられたりします)
 もちろん、灯油配達業者でもそういったことはあり得るのですが、灯油は最悪自分で買いに行くという選択肢(競争相手)があるためガスほどそういった話は聞かないですね。

 また、都市部でもなぜか集合住宅にはプロパンガスが採用されていることが多くあります。それは、住宅内のガス配管や場合によってはガス設備までプロパンガス業者が負担するからです。当然建築費を抑えたい大家からすれば渡りに船。その代わりとしてプロパンガス業者は事実上の独占供給権を得て入居者に高額なガスを売りつけるという構図。

あはたぴ
あはたぴ

学生時代にものすごい額の勉強代を支払うことになりました・・・

 入居者には全くメリットがないので、基本的にプロパンガス設備(特に暖房までプロパンだと悲劇が起こります)のアパート等には入らないことをお勧めします。多少都市ガス物件より安くても、ガス代ですぐに逆転します。

灯油にコストで単純に太刀打ちするのは現状難しいが・・・

 灯油に単純にランニングコストで対抗するのはなかなか難しいのが現状ですが、都市ガスはかなりメリットも大きい他、電気も灯油に比べてメリットは確実に存在します。

 灯油も現時点ではランニングコスト面で優位であることに変わりはありませんが、やはり価格変動リスクは都市ガス・電気は圧倒的に優位と言えます。
 石油は中東依存が強いので、中東で戦争等起きれば灯油価格はとんでもない価格になりうる可能性もあります。(ガスは比較的中東依存度が低いですし、電力も水力や石炭、ガス等資源的には色々なものを使っているため中東依存度は低いと言えます)

 ちなみに、灯油が強いと言ってはいますが、都市ガス・電気(ヒートポンプ)であればそれほど驚くべきコストの差にはなりにくいです。
 各御家庭の使用状況やライフスタイル、お住いの地域の灯油配達業者の価格等を勘案しながら最もベストな選択をしたいですね。

 次回の記事では、ガソリン代の抑え方について考えます。

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