これまでの経過は下記のとおり。
住宅展示場→舞い上がる→見積もりともろもろの維持費にビビる→中古物件探してみる→変な不動産屋に当たり、よい物件を逃す→中古物件に疑問を持つ→ローコスト住宅に出会う(今回)
ローコスト住宅と出会う!
前回の記事で、中古物件+リフォームがよくよく考えるとかなりお高いことに気づいた我が家。
そんな中、ヨメが希望の場所ではないものの、土地付きの3LDKで2,000万円程度の建売を発見。
希望のエリアじゃなかったから結局見送ったんだけどね~
でも、この価格は衝撃だった・・・
そこから我が家の家選びはまた路線変更をすることになります。
ローコスト住宅とは
その名の通り、コストを抑えた住宅のことを指します。私たちが聞いてきた大手ハウスメーカーの住宅本体価格(2階建て、面積36坪程度)がおおよそ2,500~3,500万程度かかるのに対して、ローコスト住宅は1,000万前後~2,000万程度となっていることが多いです。
近年、給与所得が低下する傾向にある中、ローン負担を選らすことができる選択肢として、若い夫婦や子育て世代などに人気を集めています。
まさにあはたぴ一家向け!
確かに薄給だけどさ・・・
一般に広告宣伝費や営業活動を限定的にするなどして運営コストを抑えると言った戦略を取っているところが多いです(タマホームはローコスト住宅メインながらCMガンガンやってるので珍しいパターンですが)。
ローコスト住宅のメリット
住宅建設費用が安い
前述の通り、ローコスト住宅は大手ハウスメーカーなどと比べると一般的な住宅で比べると500万~1,000万程度低価格で住宅建設が可能となります。
そのため、住宅ローン負担が不安な場合や、家計への住宅ローン負担を抑えたい、また教育費など別のことに支出の重きを置きたい場合などには有力な選択肢となってきます。
土地選びに重きを置けるため、良い立地を確保しやすくなる
住宅建設は、土地代+住宅費用+その他諸費用となるわけですが、ローコスト住宅を選べば住宅費用を抑えることができるため、浮いた分を土地代へ充当することができます。
そのため、良い立地条件を確保しやすくなります。よい立地は売却時に大きなアドバンテージとなりますので、10、20年程度で売却を検討している場合にもよい選択肢となり得ます。
間取り作成の手間が省ける
ローコスト住宅は決められた間取りから選ぶケースが多いです。それは、注文住宅のように間取りや設備を自由選択としてしまうと、その間取りや設備を実現するための設計や見積もりの作成に設計士や見積もり作成者の人件費が発生してしまうから。
しかし、間取りや設備をイチから決めていくのは自分の思い通りの間取りを実現できる一方、決定までには非常に時間がかかります。
我が家も最終的には注文住宅にしたわけですが、最終的な間取り・設備の決定まで4か月以上かかりました・・・。
一般的なローコスト住宅では、間取り・設備は決まっていますので、そういった時間はかかりません。 ちなみに、ローコスト住宅とは言え、間取りのパターンはプロの設計士が考えて作っているため、逆に失敗も少ないとも。
ローコスト住宅のデメリット
付帯工事に注意!
ローコスト住宅の大問題点なのですが、良心的でない業者がよく”〇〇〇万円で家が建つ!”などと広告を打っているケースが見られます。
特に3桁万円で家が建つとしている場合に要注意なのですが、この金額、ほとんどの場合で付帯工事が含まれていません。そういった場合は、広告の端に、たいてい小さく”建物本体価格”と注意書きがされています。
付帯工事とは、上下水道の接続費用や、最低限の外構(家の周囲50cm~1m程度の砂利など)などを指し、建設した家で生活するために必要な最低限の工事のこと。(外構工事は含む場合と含まない場合があります)
一般的なハウスメーカーの場合、付帯工事は150万程度になっていることが多いのですが、なぜかローコスト住宅では300万とか400万以上に設定されていることが多いのです。
結果、なんだかんだハウスメーカーよりは安いものの、思ったほど下がらなかった・・・というパターンが多く存在します。
ローコスト住宅なのに、全然ローコストじゃない付帯工事・・・!
ローコスト住宅を検討する場合は、付帯工事一式が含まれている価格で最初から提案してくれる建設業者を選ぶのがオススメです。(色々な業者を回りましたが、最初から総額提示してくれる業者は話の内容も安心感がありました)
”建物本体価格”は客寄せのための数字であり、あまり信用しないことをお勧めします。
間取りや設備の選択の自由がない(難しい)
ローコスト住宅の特徴ですので、この部分は納得するしかないのですが、ローコスト住宅はたいていあらかじめ決められた間取り(外観)から選択して家の設計を決めます。
そのため、自分の希望に合わせて間取りを変える・・・ということが難しい場合がほとんどです。
業者によっては、自由設計を可としている場合もありますが、そうなれば基本的に価格は上がってきます。
また、設備は同一品を建材メーカーから一括して仕入れることにより価格を下げていることが多いため、ほとんどの場合最初からメーカーや設備品は指定されています。
間取りと違い、設備関係は変更できることは多いものの、住宅業者が最初からチョイスしているものから外れれば途端に高額になる・・・ということが多々あります。そのため、結局あまり設備も自由に選べない・・・ということになります。
ボックス型の住宅が多い
ローコスト住宅の特徴(特に北海道)として、ボックス型の住宅であることが多いです。本州のローコスト住宅などでは、傾斜屋根が付いているものも見受けられますが、それでもやはりボックス型は多く見られます。
ボックス型の住宅は、居住空間が最も効率よく取れるため、屋根付きの住宅に比べ建築資材の使用量を抑えることが可能で、よくローコスト住宅で採用されています。
また、北海道では、ローコスト住宅でなくてもボックス型住宅が選ばれることが多いです。(無落雪とするため)
しかし、ボックス型住宅は屋根に傾斜がないため、雨漏り等のリスクは高いと言え、高い施工技術が求められます。
雪の心配等が薄い地域や、積雪地域でも雪止めの屋根材などが使用できる場合は傾斜のある屋根の方が良いかもしれません。
窓が小さい・少ないことが多い
これは特に北海道で見られるパターンですが、住宅の断熱性能を確保するうえで重要となるのが建物本体の断熱と開口部(窓や玄関ドア)の断熱性能となります。
そのうち開口部の断熱は非常に重要となります。
開口部は建物本体の断熱と比べるとどうしても断熱性能が劣りやすいため、複数の層に分かれた窓ガラスを選ぶことになるのですが、断熱性能の高いトリプルサッシ(3重ガラス)は価格がお高く、特に大きな窓になるとかなりの金額になってきます。
その為、ローコスト住宅では、比較的安価なペアサッシ(2重ガラス)を採用して、そのうえで開口部の面積を減らす(小さい窓にする)ことで断熱性能を確保しようとする傾向にあります。(本州の温暖地であれば、シングルサッシ(1重窓)かもしれません)
結果、決められている間取りも小さい窓であったり、窓が少なかったりすることが多いのです。
いくら暖かくても、外がほとんど見えないのは考え物だね
断熱性能など、見えない部分の性能は通常の住宅と比べ劣ることが多い
当たり前ではありますが、ローコスト住宅は一条工務店などの断熱性能を売りにしている大手ハウスメーカーと比べると断熱性能などは劣ることが多いです。(但し、北海道内の工務店の多くはハウスメーカーを凌ぐ断熱性能を施工できるところが実はかなり多いです。価格との兼ね合いもありますが・・・)
最近は大手ハウスメーカーもローコスト住宅に対抗するためか、比較的廉価な商品も出していますがそういった商品はたいてい見えないところでコストカットをしているようで、主に断熱性能や気密性能などが落とされているとの話もあります。
ただ、業界全体的なレベルとして断熱性能は年々上がってきていますので、大手ハウスメーカーの高価格帯の商品と比べ劣るからと言って冬にめちゃくちゃ寒い家・・・となるわけではありません。ある程度の断熱性能はローコスト住宅でも確保されている場合がほとんどです。
本当は、2020年から建築基準法で断熱性能も要求されるようになる予定だったのですが、大人の事情で18年に延期が決まっています。
大人のジジョウ・・・?
断熱性能の保証みたいなものが欲しい場合は、住宅の性能として、フラット35Sの技術要件(省エネ)を満たしているか建設業者に聞いてみるといいかもしれません。フラット35S(省エネ)の技術要件を満たしていれば、最低限の断熱性能は確保されていると言えます。
また、近年断熱性能の数値とされているuA値を確認してみてもいいかもしれません。(北海道の主な地域の省エネ基準(最低限)は0.46、ZEH基準は0.40。札幌の次世代基準の最上位基準は0.18となっています)
ちなみに、uA値0.18ともなると晴れてる日は冬場でもほとんど暖房がいらないとか・・・
ちなみに、フラット35Sにも、金利軽減期間が5年間・10年間の2種類があります。当然10年間の方が求められるレベルは高いので、10年タイプを保証してくれる場合は断熱性能はかなり高いのではないかと思います。
アフターサポートは最低限であることが多い
私が見てきたローコスト住宅を建設する業者のほとんどが初期保証は躯体・水漏れは10年(法定)、その他を3年としています。そこから先は、何かトラブルがあった時に連絡をください・・・としているようです。
一方大手ハウスメーカーでは、積水・ダイワ・へーベル等が、躯体・水漏れの初期保証を30年、その後の有償点検を受けることで60年以上もの保証をしているのを筆頭にローコスト住宅と比べ、保証期間が非常に長くなっていることが多いです。
無償点検も少なくとも10年、長い場合は50年(スウェーデンハウス、10年経過以降の修理費は有償)もの期間が確保されている場合が多いのです。
但し、躯体・水漏れ・シロアリ以外の初期保証は各社の営業マンの話を聞いている限り3年~5年程度としていることが多いようで、ここはローコスト住宅とあまり変わらないようでした。
スウェーデンハウスは高いだけあって立てた後もサポートがすごいね
構造材の材質など、ある程度住宅の造りを見極める力が必要
とある工務店で聞いた話ですが、ごく一部のローコスト業者などは、構造材などに程度の低い木材を使うパターンがあるのだとか。
その工務店の営業さんがもともと大工だった為、大工だった頃の仲間のネットワークなどから情報が入ってくるようでした。
普通の人が家の構造材やその他木材の部分の仕様までしっかり見るのは決してできなくはないですが、それなりにハードルが高いもの。
その上、見積書にはたいてい”集成材”や”1等材”などの表記ですからどんな木を使っているのかなどまではなかなか分かりません。営業さんに質問するにしても、どういった木材ならOKなのか・・・など最低限の知識は持っている必要があります。
今はネット上である程度の情報を調べることが出来ますから、勉強しておけばよいのですが、とりあえずある程度のレベルを確保している大手ハウスメーカーと比べると注意が必要な点かなと。
なお、構造材に限らず、サイディングの種類や屋根下防水シートなどについてもローコスト住宅を建てる場合はある程度知識を持っていた方が良いと思います。
構造材?サイディング?・・・旦那様、任せたっ!
我が家もローコスト住宅を検討!
我が家も、さっそくローコスト住宅を検討してみました!
本当にこの値段で家が建つのかなぁ?
ハウスメーカーと比べると安すぎるな・・・
付帯工事でぼったくる業者が多すぎ!
ローコスト住宅を探し始めて、まず見つけたのが、〇〇〇万で家が建つ!と広告を打っていた某業者。
オープンハウスを見に行ってみると、外装はボックス型、内装は最低限とローコスト住宅そのままの印象。ただ、ローコスト住宅だからこんなものかと思って営業さんから話を聞いていると・・・
結局、この家って950万(仮)となってますけど、住む状態にするにはいくらかかるんですか?
付帯工事が400万くらいかかり、砂利等も入れると1,400万は超えてきますね~
(ハウスメーカーよりは安いけど、付帯工事高すぎだろ・・・)
前述のローコスト住宅のデメリットで挙げた通り、付帯工事を入れるとなんだかんだ相当な金額まで跳ね上がるというあまりよろしくない業者でした。設備を一般的なレベルに上げて、外構もある程度やる・・・となると2,000万弱まで膨れ上がるのがすぐにわかりました。
※ただ、業者自身もまずいと思ったのか半年後には○○〇万で・・・という文言はホームページから消えてました。
で、その後もいくつか業者は確認しましたが、やはり付帯工事でぼったくる商法をやっているところが多くローコスト住宅への熱は徐々に冷めていきました。
結局、ハウスメーカーと大きくは変わんないじゃんって話してたよね~
付帯工事込みの価格設定をしている工務店を見つける
もう一軒家自体諦め始めていたころ、ダメ元で伺った建築会社が付帯工事込で建設を行っているところでした。ただ、その建築会社はローコスト住宅専業ではなく、注文住宅にも対応。”ローコスト”ではなく、”適正価格”がセールスポイントの会社でした。
その建築会社の設定は単純明快。(下記坪数や価格は若干ぼかしてます)
30坪・2階建て。設備最低限。付帯工事込。1,200万+税=1,320万(税込)
やっとこういうところあった・・・って感じだったなぁ。
その会社は本当に地場の小規模な会社でしたが、設計や施工委託先や施工管理に自信があるようで、建設中(壁も出来ていない)の現場を見せてくれました。
決して、贅沢な造りではなかったですが、包み隠さずに見せてくれることに好印象。結局、断熱性能等が当方の希望とは若干異なっていたので、この業者さんで建築することはなかったのですが、とても影響を受けた業者さんでした。
この時に、ローコスト住宅専業の会社だけを探していた私たちは、地場の普通の建設会社や工務店が意外と安くていいものを作ってくれるのではないか?と思い始めます。
この結論にたどり着くまでに、結構時間かかったよね~
そして2つの建設会社に出会う
そして、最終的に2つの建設会社が有力候補として挙がります。
2社とも、ローコスト住宅は得意としていますが、ローコスト専業ではなく注文住宅の方が多く建設している会社でした。
その2つの会社には共通するポイントが多かったので、一応まとめておきます。
安心・納得できる点が多かった
共通点の一覧を見て頂ければわかる通り、ローコストにできる理由が明確な上、納得できる内容であったことがこの2社を最終的な候補に残した理由です。
特に、住宅展示場への出展をしていないことやモデルハウスは再販前提の現実的なサイズで作っていること、設備メーカーを絞り込んでいることが個人的には価格の安さの裏付けとして納得できる点でした。
また、ローコストタイプの住宅でもフラット35Sの省エネ基準を満たしていることで、暖房費のランニングコストなどへの不安もある程度払しょくされ、安心できたのです。
営業さんは最初ちょっと怖かったけどね~
でも、色々話していくと2社ともいい人だったね~
2社での相見積もりへ・・・
土地はとりあえず2~3か所見繕っていたのですが、住宅部分の金額がある程度決まらないと土地にかけられる値段も変わってくるので、2社にお見積もりを頂くことに・・・。
その編の話はまた次回に!
おうち・・・?