北海道の暮らしについて①~意外とお金がかかりますよ

北海道 住宅事情
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北海道

 最近、ネットニュースなどで地方移住を取り上げられることが増えてきています。家賃を代表とした、生活費が下がることなどがメリットとして触れられれる一方、閉鎖的な地域だと元からいる地域住民に嫌がらせをされるなどの人間関係がデメリットとして挙げられていることもあります。

 私は、高校生の頃、北海道に住んでみたいと思い、北海道の大学へ進学しそのまま北海道で就職しましたが、元々本州の地方都市暮らしだったのもあり北海道で暮らすことの難しさに直面することもありました。

 地方移住先の一つとして検討されることも多い、北海道。本州育ちの視点から、北海道の暮らしについて考えてみます。北海道を移住先として考えていらっしゃる方の一助となればと思います。

 1回目の今回は、お金の面について。

北海道の暮らしには意外とお金がかかる!?

 家賃が安い、物価が安いというイメージがある地方ですが、北海道はどうなんでしょう・・・。実はなんでもかんでも安く生活ができるわけではありません。北海道で安く買えるもの、逆に高いもの。また、北海道で生活する上でお金がかかることとかからないことに分けて考えてみます。

北海道で安く買えるもの、高いもの。

安いもの

家賃・土地

 これは首都圏と比べると圧倒的に安いことが多いです。特に23区内であれば1Rでも月8万以上なんてザラでしょうが、北海道の場合・・・

家賃相場の一例(1LDK)

※私が見てきた限りの情報なので、立地等で実際は大きな開きがあります。

札幌圏:6~7万/月
旭川エリア:5~6万/月
函館エリア:5.5万~6.5万/月
苫小牧エリア:5~6万/月
帯広エリア:5~6万/月

 北海道の家賃相場の特徴は、札幌圏が頭一つ飛び出ていますが、あまり地域によって差が大きくないということ。もちろん、駅から至近などの条件があれば家賃が跳ね上がることもありますが、一般的なエリアであればたいてい前述の範囲が一般的ではないかと思います。
 ご家族で住む場合は、2LDKや3LDKなどがベースになってくるかもしれませんが、おおよそ上記の金額に2万程度追加すればほどほどの物件は見つかります。

 なお、土地も基本的に首都圏と比べれば大差を付けて安いです。特に地方都市では1坪4~5万程度の土地も結構ゴロゴロしてます。

食料品

スーパー

 これは時期によってかなり上下しますが、年平均して考えると食料品は一般に安いと思います。
 特に北海道という場所柄、野菜類に関しては北海道産の収穫時期はかなり安くなります。(相場にもよりますが、じゃがいも10kgケースが500円なんてことも)

 また、豚肉は非常に安い傾向にあります。北海道では牛肉よりも豚肉を食べる傾向が強く、肉売り場で面積を多くとっているのはほとんどのスーパーで豚肉と鶏肉。そのせいか、私の実家のある地域と比べると豚肉は非常に安く、牛肉はやや高い傾向にあります。ちなみに、安い豚肉と聞くと外国産と思い浮かべる方も多いかと思いますが、豚肉に関しては北海道産もかなり安い値段で売られていることが多いです。(もちろん、外国産も売られていますが)

 ただ、北海道は12月から3月頃までは一部を除き農作物の栽培が難しい環境の為、その期間は一般に野菜の価格がかなり高くなりますので、ご注意を。

日用品

ドラッグストア

 食料品ほどではありませんが、ある程度安いことが多いです。ただ、激安と言えるレベルではなく、平均してまぁ安いかな。と思えるレベル。
 北海道は本州で作られる製品については送料がかかるため、店舗の土地費用や人件費が安いと言ってもどうしてもある程度相殺されてしまうのでしょう。

ガソリンなどの石油製品

 これは、北海道内でも地域に依ります。私が見てきた中では、こんな感じ。

石油製品が安い北海道の地域

第一グループ(最も安い)・・・函館・釧路・旭川
第二グループ(全国平均よりやや安い)・・・札幌・苫小牧
第三グループ(ほぼ全国平均)・・・帯広・北見など
第四グループ(高い)・・・人口過疎地域

 北海道の製油所は現在苫小牧の一か所だけなのですが、なぜか苫小牧エリアより送料がかかるはずの旭川エリアが安い傾向に・・・。
 貯蔵施設等の関係もあるのかもしれませんが、不思議な構図です。

高いもの

公共料金

水道

 北海道は広大な面積を有しますが、一方で人口はそれほど多くなく、人口密度は日本の都道府県の中で断トツで低い地域です。

 このような状況の為、北海道の地方部は、人口密度が低ければ低いほど効率が悪くなる水道事業やゴミ処理事業には非常にお金がかかってしまう状況です。(東川町のように地下水が水道代わりのような地域もありますが)

 その上、地方部では、高齢者の割合が非常に高くなり税収が落ち込む状況となっています。

 そのため、水道やゴミ収集に係る費用は一般に高い傾向にあります。(北海道内でも地域間の差は非常に大きいですが)有料ゴミ袋が導入されていない地域から、北海道に移住されるとゴミ処理に係る費用の大きさに驚かれるかもしれません。

電気料金

電気

 北海道の電気料金は、現在日本で最も高い地域の一つです。
 北陸電力など、比較的安価な地域にお住いの方が北海道にいらっしゃるとその請求額に驚かれるかもしれません。(使い方にも依るので、詳細は各電力会社等のホームページをご覧ください)

 大まかなイメージとしては、本州と比べおおよそ3割程度電気代は高いと考えていた方が良いと思います。

プロパンガス料金

 過去の記事でも触れていますが、プロパンガスはそもそも北海道の暮らしにおいて採用することをお勧めしません。

 その上で、人口密度が低い北海道ではプロパンガスの配送も効率的に行うことが出来ないため、人件費がかさみ、本州と比べると供給単価はかなり高くなる傾向にあります。

北海道の暮らしでお金がかかること、かからないこと

お金がかかること

自動車関連の費用

 以前の記事でも触れていますが、

 北海道で暮らす場合、札幌の交通の便がいい地域以外ではほぼ確実に車が必要となります。若者の自動車離れ・・・なんて言われている近年ですが、そんな選択肢は基本的にあり得ません。

 正確に言えば、車が無くてもどの地域でも生活自体はできますが、かなり窮屈な暮らしが予想されます。

 そんな北海道でほぼ必須のアイテムと言える自動車ですが、かなりの金喰い虫。自動車本体がそもそも高い上に、ガソリン代・メンテナンス費用・冬装備一式・任意保険料・・・とかなりの費用が掛かります。
 個人的には首都圏との家賃差を埋めてしまう可能性すらあると思うほど重い負担です。少しでも軽減するのであれば、軽自動車を選択するなどの工夫が必要となってきます。

移動費用

JR

 北海道では、隣接する地域間の距離が離れていることが多く、また一つの市町村自体の面積が非常に広大だったりもします。そのため、必然的に移動距離は伸び、その移動に係る費用も大きくなる傾向があります。

 例えば、同一市町村内であっても郊外の住宅地に住んでしまえば、普段の一回の買い物の走行距離が10km~15kmくらいになることは多々ありますし、様々なものが揃う札幌まで出かけようとすれば、函館なら250km、旭川なら150km、帯広なら200km程度それぞれ離れていますので交通費はかなりかかることになります。

暖房費

 これは、北海道に移住することを検討している方ほとんどが覚悟されていることだと思います。
 札幌では冬季の最低気温はマイナス2桁に到達すればかなり寒い・・・というイメージですが、北部・東部の地方都市になると、冬季の最低気温がマイナス2桁となるのは普通で、マイナス15℃を下回ってくるとようやくそこそこ冷えたな・・・という感覚の場所もあります。(逆に、胆振地域や函館の方はそれほど冷えません)

 そのため、やはり暖房費は本州に比べかかります。
 ただ、住宅の性能や暖房熱源の選択によってその費用はかなり大きく変わってきます。移住される場合には、住宅選びは慎重に行うようにしてください。

衣服

 あまり大きな額とはなりませんが、寒冷地にあたる北海道でも夏場はそれなりに気温が上がり、夏服も本州同様必要となります。一方、秋~春にかけての服装は温暖地と比べるとかなりの防寒対策が必要になり、意外とお金がかかります。

お金がかからないこと

冷房費

 電気代は高い北海道ですが、冷房に係る電気代は当たり前ですが本州と比べると非常に安価です。温暖化が進んできてはいますが、まだ一部地域では冷房なしでも暮らせるところも北海道にはあるほど。

娯楽費

 これは、地域にもよるので一概には言えませんが、札幌以外の地方都市では首都圏と比べれば娯楽と呼べるものがそもそもかなり少ないと言えます。
 そのため、必然的に娯楽に係る費用は抑えられます。(これは、いいか悪いかは別として・・・ですが)

トータルで考えると、思っているほど生活費は安くならないかも

意外とお金が・・・

 ここまで、北海道で安いもの、高いもの、お金がかかること、かからないことを触れてきましたが、住宅費以外は結構お金かかるんだなぁ・・・と思われたのではないでしょうか。

 確かに住宅費に関しては、首都圏と比べ、場合によっては10万/月程度浮くことも考えられるほど相場は安いと言えます。
 しかし、そもそも車を持っていない方が移住し、車を所有するとなれば、車の所有に係る諸費用がかなりの負担となってきますし、暖房費などにもかなりの費用が掛かってきます。
 普通自動車であれば、購入費用も含めると諸費用等トータルで月平均5万程度掛かってきますし、暖房費も冬季の4~5か月だけとは言え、大体シーズン中で10~20万程度掛かるケースが大半です。

 そう考えていくと、首都圏の方が北海道に移住すれば確かに家賃分のアドバンテージが大きいので生活費は確かに下がることが見込まれますが、自動車維持などの費用で結構な部分が相殺され、結局思ったほどは生活費は下がらないことが予想されます。
 更に、本州の地方都市の方が北海道に移住される場合は、家賃のアドバンテージが少なくなるので、移住後の方が生活費が伸びるケースも考えられます。

 北海道暮らしには、色々な魅力がありますし、私自身出来れば北海道に住み続けたいと思っていますが、生活費が抑えられるという点だけで北海道を移住先に選択することは結構リスキーな面もあります。次回の記事で触れますが、北海道の致命的な弱点として魅力的な雇用が非常に少なく、賃金も非常に低いということもあります。
 移住には、継続可能な資金計画も必須となりますので、北海道への移住を検討されている方は慎重なプランニングをお勧めします。

 次回は、北海道の仕事関係(収入)について触れたいと思います。

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